2022年 1月号 第145回「しめ縄と結界」
大切にしたいもの・神聖なものを守るための結界
新年明けましておめでとうございます。
皆さんお正月には、しめ縄や門松を飾られたと思いますが、しめ縄とお墓の周りを囲む石に同じ意味があるのをご存じでしたでしょうか。
しめ縄の起源は、記紀神話に現れます。天照大御神様が天岩戸と呼ばれる洞窟にお隠れになり、世の中が真っ暗になってしまったことで作物が育たなくなったり、病気になったり大変なことが次々と起こりました。
困り果てた八百万の神が相談し、天宇受売命に舞を舞ってもらい八百万の神々が騒ぎ立てると、不思議に思った天照大御神が岩戸を開き、出てきたところを引っ張り出し、岩戸の入り口に「尻くめ縄」を引き渡して「ここから内へは入れません」と言いました。
このように「しめ縄」は出入り禁止のしるしであり、神聖な場所の標識でもあります。
お墓の周りを囲う石は「結界石」と言って、その中は仏さまが土に返ってみえる「聖地」。その外側は「穢土」といって穢れに満ちた不浄な世界。その二つを分ける重要な役割を持っている石です。
どちらも神聖なものと、そうでないものを分け隔てる重要な役割を持っているものです。
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