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2021年 5月号 第137回「様々な葬法の違い①」

考え方と葬法の違い。インドの「ヒンドウー教」「イスラム教」

 前回出てきた「民族宗教」ですが、民族が違うと、お葬式、お墓の作り方、埋葬の仕方、それらの意味などが大きく違ってきます。なぜなら民族により「死」や「死者」の捉え方や意味付けが違うからです。
 次に一部ですが、死や死者に対する民族宗教の考えと葬法の違いを見てみましょう。
 初めにお釈迦様の故郷インドのヒンドウー教。
 幼児と出家者は土葬ですが、それ以外はほとんど火葬にします。死者の亡骸を火葬するとき、プレータと呼ばれる霊魂は頭蓋骨から出てあの世へ旅立ち、その間の十日間に新しい身体を得るため生まれ変わります。
 その後十三日目のサピンダ儀式の後、あの世に到達して祖霊たちの仲間にはいります。後に残った遺骨は聖なるガンジス川に流します。
 同じインドでも、イスラム教では「火葬は神を冒涜する」という考えがあるので土葬にします。しかし霊魂は埋葬した翌日に肉体から抜け出ると信じられていますから、土葬は簡単なものです。そして三日間の喪に服した後はいつもの生活に戻り、お墓まいりの習慣もありません。
 次回は鳥葬のお話など他の葬法のお話をします。

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