2021年 4月号 第136回「人は死んだらどうなるの?」
日本人の宗教観「民族宗教」はどんなものか
シンボルには社会が共有する意味や価値があるのなら、当然日本のお墓にも日本人が等しく認める意味や価値があるはずです。
では、日本人がお墓に対して抱いている意味や価値とは、どんなものでしょうか。
その問いに答えるには、日本民族が太古の昔から
〇人が亡くなるとは、どういうことか
〇人の死をどう考えたか
〇人は亡くなると、どうなるのか
〇死後どこへ行くのか
〇あの世はあるのか
など、人の死に関する世界観をどう考えていたかがわかる必要があります。
一般的にこれらは「死生観」「死後観」「霊魂観」等と呼ばれ、人々が数千年もの長い間、大自然から学んだものであり、先祖の偉大な叡智から生み出され、多くの人々によって育まれ受け継がれてきた、民族の「宗教観」です。
この民族の宗教観を一言で言うと「民族宗教」と言ってもよいと思います。
民族宗教は特定の民族によって生み出され、民族全体に流れる血液のようなものですが、外来の宗教と結びついて新たな展開(習合)をする事があります。
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