2019年 7月号 第115回「般若心経の話二十四」
「般若咒」を唱える事の素晴らしさ
「故知般若波羅蜜多是大神咒是大明咒是無上咒是無等等咒」 ここまでで、すべての菩薩さまが“般若波羅蜜多の行”を続ける事で苦しみの無い理想の世界に到達した事が書かれていました。いわゆる「苦」からの脱出例が示されていました。 ここでは「故知」から始まっています。「故知」とは、「これだけ例をあげたので、もうわかりますよね」という意味です。 この後「是○○」のパターンが続きますが、どれも“般若波羅蜜多の行”がどのようなものかを表わしています。 「大いに素晴らしい呪文なり」「大いに明らかな呪文なり」「この上もない呪文なり」「比較するものが無い呪文なり」と続きます。 つまり、ここでは「般若咒」を唱える事の素晴らしさをたたえているのです。 この素晴らしさをたたえる文章から、人間は自分の体験以外に他人の評価を重要視し、誰かひとりの評価ではなく、みんなの評価を頼りにするものであるという人間らしさを感じます。 まとめると、“般若波羅蜜多の行”は他に比較出来ないくらい飛び抜けて素晴らしいものだから心配する事はない。
- 般若咒:はんにゃしゅ
- 故知般若波羅蜜多是大神咒是大明咒是無上咒是無等等咒:こちはんにゃはらみったぜだいじんしゅぜだいみょうしゅぜむじょうしゅぜむとうどうしゅ