2019年 5月号 第113回「令和の石碑」
令和の時代も、ご先祖様や亡くなった方々を敬う気持ちを大切に
平成から令和へと御代が替わり、もう1か月が過ぎようとしています。 日本人の歴史と共にお墓も姿を変え、古くは縄文時代の甕棺墓・土坑墓から現代のロッカー式納骨墓や樹木葬墓石など、時代に合わせて様々に形を変えてきました。 しかし、お墓の姿かたちは変わっても、ご先祖様を敬い亡くなった人に対して供養をするという習慣はずっと変わりなく続いて来ています。 戦乱などで丁寧に供養出来なくても亡きがらだけは土の中に埋葬し、石ころ一つ、木の1本でも立てて墓標替わりにしてきました。他の国でみると、遺体を川に流したり、鳥に食べさせたりする国もありますが、日本人の感覚からすると、とても違和感が有ります。 昭和から平成にかけては、それまで個人や夫婦単位で墓石を建てていたものが家族単位のお墓にシフトして行った時代でした。しかし平成も後半になると家族単位のお墓が維持出来ずに墓じまいが増え、ロッカーに遺骨を収納する人が増えてきました。 令和の時代。その動きは加速して行くと思われますが、日本人として、ご先祖様や亡くなった人を敬う気持ちだけは失いたくないものです。
- 土坑墓:どこうぼ
- 甕棺墓:かめかんぼ