2019年 10月号 第118回「般若心経の話ニ十六」
日々を幸せに生きるための「行」
「故説般若波羅蜜多咒即説咒曰」
いよいよ僅か二百六十文字程しかない般若心経も大詰めに入って来ました。
ここでは、一番大切な「行=実践」に対する心構えを説いています。
ここまでで何度も繰り返し出てきている「般若波羅蜜多」の行の分析や理屈、効果はここまでで十分分かってもらえたと思います。
なので最後に出て来る「羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵」という言葉、通称「般若咒」と呼ばれる部分の前に、「故説般若波羅蜜多咒即説咒曰」(だから“般若波羅蜜多の行”を呪文にして説こう)と、その実践方法が示されています。
呪文とは、不思議な力を持つと考えられる言葉の様式で、唱える事でその効果が表れます。
そもそも仏教は「行」の宗教と言われています。頭で考える哲学ではありません。日々の生活のなかに見つける事が大切だと、お釈迦様は説かれています。
幸せに生きるための実践方法は簡単です。呪文(“般若波羅蜜多の行)を唱えるだけ
- 般若咒:はんにゃしゅ
- 羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆呵:ぎゃていぎゃてい らぎゃてい はらそうぎゃてい ぼじそわか
- 般若波羅蜜多:むなはんにゃはらみったしさ
- 故説般若波羅蜜多咒即説咒曰:こせつはんにゃはらみったしゅそくせつしゅわつ