2018年 7月号 第103回「般若心経の話⑮」
「色即是空空即是色」般若心経で一番有名なフレーズです。
般若心経の続きです。
「舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是」ここではお釈迦様の一番弟子とも言われた「舎利子」さんに「五蘊」の事を詳しく伝えています。
「色即是空空即是色」般若心経で一番有名なフレーズです。「色とは即ち空なり」と読みますが、どのように受け止めればいいのでしょう。
今ここにいる「私」の存在は、命を与えてくれた両親、その両親に命を与えてくれた先祖というように数えきれない命の流れの上に、今の「私」は存在しまいます。その「私」の内面まで他の人は見通すことは出来ません。でも内面が見えないからと言って「ない」という事にはなりません。
この目に見えない私が「空」で、目に見えている私が「色」です。
例えば今の私が本を読んだとします。本を読む前の「私」と、読んだ後の「私」は、外見的には変わりはありませんが、本を読んで得た知識で内面は変化しています。
つまり現在とは過去の積み重ねであり、現在もすぐに過去になる。決して止まらない現在なのだから、自分を固定化し執着してはならない。
という事なのです。
- 空:くう
- 即ち:すなわち
- 色:しき
- 五蘊:ごうん
- 舎利子:しゃりし
- 舎利子色不異空空不異色色即是空空即是色受想行識亦復如是:しゃりししきふいくうくふいしきしきそくぜくうくうそくぜしきじゅそうぎょうしきやくぶにょぜ