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2018年 6月号 第102回「般若心経の話⑭」

一言で言うと「一切の苦しみがなくなった」ということです。

「渡一切苦厄」は、一言で言うと「一切の苦しみがなくなった」ということです。
般若心経の重要なキーワードは「苦」です。お釈迦さまが出家した動機には「生・老・病・死」の四苦があり、人間にとっての「苦」とは何かを追求し、その「苦」を無くすためにはどうしたらいいのかを探求されたのです。
その「苦」さえ取り除けば、自然とそこに理想の世界が現われます。
普段私たちは「空気」の事を意識せずに生活しています。しかし空気が無ければ苦しんで死んでしまいます。苦しみを感じず、「苦」を意識しないで生きられる状態が理想の世界だと思います。
「般若心経」は心の中にある「苦しみ」という病気を治す薬のようなものです。しかし、薬を見ていただけでは病気は治りません。そして腹が痛い時に風邪薬を飲んでも効かないように、また、風邪をひいた子供の為にお母さんが風邪薬を飲んでも効かないように、自分の病気に合った薬を自分で飲まなければ病気は治りません。
「般若心経」を「心の薬」として唱えてみたり、お写経をしてみてはいかがでしょう。

  • 四苦:しく
  • 生・老・病・死:しょう・ろう・びょう・し
  • 渡一切苦厄:どいっさいくやく

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