2018年 3月号 第99回「般若心経の話⑪」
六波羅蜜の五番目は「禅定」です。禅定とは、「自分への確認を忘れるな」ということです。
六波羅蜜の五番目は「禅定」です。
禅定とは、「自分への確認を忘れるな」ということです。
私たちは何かにつけ自分が正しいと思い込み相手を批判してしまいます。
相手の欠点を指摘するのはいとも簡単にやってのけるのに、自分の事となると棚に上げて、相手の悪い所ばかり見てしまいます。
「仏様は鏡だ」「修行は鏡だ」と言われる事がありますが、それは次のような意味があります。
鏡の前で、いつものように相手を指さして批判してみて下さい。その指は誰を指さしていますか?
自分の方に向いているはずです。他人を指さしているはずが、その指は自分自身に向けられているではありませんか。
鏡に映る姿には「他人の事をとやかく言う前に自分の事を考えてみなさい」という、お釈迦様の教えが示されているのです。
鏡の中の自分を見ながら、自分との駆け引きの無い対話をしてみて下さい。
自分が何をしたいのか、いま何をしなくてはいけないかを明確にする事が、迷いの世界から理想の世界へと渡る最短距離になるのです。