2018年 2月号 第98回「般若心経の話⑩」
六波羅蜜の4番目は「精進」です。「精進」の「精」は精神の「精」で心を表わします。「進」は言葉の通り、前に進む事を表わしています。
六波羅蜜の4番目は「精進」です。
精進は、先にも出てきた「行深」と同じ意味で、一度だけでなく繰り返し続けて行く事です。
「精進」の「精」は精神の「精」で心を表わします。「進」は言葉の通り、前に進む事を表わしています。つまり「精進」とは、心を前向きに進ませる事なのです。
発明王エジソンの有名な逸話で、エジソンは一つの発明のために何度も実験を重ねたそうです。
ある時、助手と実験をしていると、機材が大きな音をたてて爆発してしまったそうです。
その時助手が「失敗でした」と伝えると、エジソンは「このやり方ではだめだという事が分かったのだから、この実験は成功だよ」と答えたそうです。
このような前向きな発想があれば、失敗をただの失敗で終わらせることなく、次へのステップにつなげられます。それが「精進」です。
心を後退させることなく、前へ前へと進めて行くこと、自分の限界を決めずに、常に成長する努力を続ける事が、自らを苦しみから脱出させるのです。
- 行深:ぎょうじん