2017年 12月号 第96回「般若心経の話⑧」
六波羅蜜で最初に学ぶのは「布施」です。
六波羅蜜で最初に学ぶのは「布施」です。 布施というと、お坊さんへの報酬である「お布施」を連想する人も多いですが、そうではありません。 布施とは、相手に施すことです。その時に大切なのは「見返りを求めない」という事です。お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげるような、無償の行為が、布施の行為です。 でも、そのような無償の行為はなかなか出来る事ではありません。そればかりか、私たちは相手に何かをする時に「私はこれだけの事をしてあげたのだから」と、つい見返りを求めてしまいます。 六波羅蜜の2番目は「持戒」です。「戒」は仏教徒としての戒律=ルールですから、持戒とは「ルールを守る」という事です。 私たちは、社会の中で一人では生きて行く事が出来ないので、みんなの決めごと(ルール)が必要です。 そして決めたルールは守らなければなりません。自分だけは大丈夫。人が見ていないから何をやっても大丈夫。などと、うぬぼれた心を持つ人は、自ら苦しみを招いてしまうのです。
- 戒:かい
- 持戒:じかい
- 施す:ほどこす
- 六波羅蜜:ろくはらみつ