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2017年 6月号 第90回「般若心経の話②」

「般若心経」は本屋さんにも解説書が多く並んでいる程、馴染み深いお経です。

「お経」と言うと訳の分からない漢字の羅列で、「お葬式や法事の時にお坊さんが読む物」という認識の方が多いと思います。 その中でも「般若心経」は特別で、毎朝お仏壇に向かって唱える方も見えるでしょうし、本屋さんにも解説書が多く並んでいる程、馴染み深いお経です。 普段私たちが目にする「般若心経は」漢字で書かれているので、中国で生まれたものだと思う方も見えますが、お経とは、古代インドに生まれたお釈迦様の教えをまとめたものですから、もとは古代インドの言葉で書かれていました。 中国・隋の時代に生まれた、高僧「玄奘三蔵」(六○二~六六四年)がインド(天竺)より持ちかえり漢訳した物です。 玄奘三蔵は中国各地で修行をしますが、修行が深まるにつれ本当の仏教は何かと疑問を抱くようになりました。 どうしても仏教の原点を追求したかった玄奘三蔵は、当時鎖国をしていた中国の法を破りインドへ旅立ちます。 灼熱のタクラマカン砂漠や極寒の天山山脈を越えインドにたどり着くまでに三年の歳月がかかったそうです。

  • 玄奘三蔵:げんじょうさんぞう

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