2017年 2月号 第86回「石屋の修行③」
私が石屋の修行に岡崎へ行った今から四十年程前は、まだこれから日本が伸びて行く時代でした
私が石屋の修行に岡崎へ行った今から四十年程前は、まだこれから日本が伸びて行く時代でしたので、各地の石屋さんも元気が良く、岡崎だけでも全国から毎年八十人以上もの小僧(研修生)が集まってきていました。 そのほとんどが全国各地の石材店の息子で、高校を卒業してから来る者が大半を占めていました。 集まってきた小僧たちは修行先の石材店により違いますが、数人で一部屋を与えられる会社、一人一部屋を与えられる会社など当たりはずれが有る中、昼間は会社で石の仕事を教えてもらいながら、夜は日本に一カ所しかない職業訓練校の石材科で石に関する事はもちろん造園の事など、石にはあまり関係の無い授業も有りました。 卒業の年には京都への一泊修学旅行が有り、職業訓練校というより夜間高校というような感じでした。 この時代に、四年間訓練校の仲間として、また同じ石屋の小僧としてすごした仲間たちは年季明け後、地元へ帰り各地で石材店の代表になっていますが、今でも年は違えど同期の桜として親交は続いています。