2017年 1月号 第85回「お正月の餅」
餅に宿った歳神様の力を借りて魂の再生を図るのがお正月です。
新しい年が始まったと思えば、もう一カ月が過ぎようとしています。 改めまして今年もよろしくお願い致します。 正月は魂が新たになる月です。門松を飾り「歳神様」を家にお迎えして、そこから始まる一年を生き抜くエネルギーを頂く事から始まる日です。 農業が主な産業だった頃には、その年の五穀豊穣を祈念する日でもありました。 正月に食べる餅や豆を「年玉」と呼ぶ地方もあります。 正月の食べ物は歳神に供える神饌で家族はその相伴に与ることで、年神様からエネルギーを頂く。 神様に捧げた供物と同じものを食べる事を「直会」と言い、歳神様の神秘な力を象徴するのが「鏡餅」です。 お墓の開眼の時にお供えしたお供物にご先祖様から霊力を込めて頂き、お下がりを家族で頂くのと同じです。 鏡餅の形は心臓を象徴化したもので、魂の宿る鏡です。その鏡餅に宿った歳神様の力を借りて魂の再生を図るのがお正月です。 この神様を宿らせる大切で神聖な餅を、家族が全員で元気よく助け合ってつき、お供えする事が家の繁栄に繋がるのです。
- 直会:なおらい
- 与る:あずかる
- 相伴:しょうばん
- 神饌:しんせん
- 年玉:としだま
- 祈念:きねん
- 五穀豊穣:ごこくほうじょう
- 歳神様:としがみさま