2016年 9月号 第81回「日本人は墓参りの達人」
お墓参りの習慣はすごく宗教的な行動です。
もうすぐ秋のお彼岸です。お彼岸にはお墓参りに行かれる方が多いと思います。 最近では「うちは無宗教だから」と言う方が増えてきましたが、そんな方でもお彼岸やお盆にはお墓参りには行かれます。 このお墓参りの習慣はすごく宗教的な行動です。ご先祖様に手を合わせる「先祖教」とも言える宗教行動の表れです。 日本語の「お墓参り」という言葉の中には、お墓に行き、お墓掃除をし、花を立て、香を焚き、灯明をあげ、水を打ち、手を合わせてご先祖様の冥福を祈る。という動作すべてが含まれています。 外国語にはこれと同じ意味を持つ言葉はありません。 しかし多くの日本人はこの動作を特別のものだと思わず、お墓参りと言えば意識しないでも自然にこの一連の動きが出来るのですから、まさに達人です。 日本人はお墓参りの達人であり、宗教意識は世界でもトップレベルなのです。 ちなみに読売新聞のとった宗教的行動のアンケートでは「初詣」や「仏壇・神棚への礼拝」をおさえて「お墓参り」が一番でした。その数値はなんと七十九%だったそうです。まさに達人です。
- 冥福:めいふく
- 焚き:たき
- 香:こう
- 先祖教:せんぞきょう