2016年 8月号 第80回「法名・戒名の話⑦」
戒名六文字の上に付く尊号が「院号(院殿号)」です。
お寺から授かる戒名の位号には、「居士・信士」(男)の他にも「禅定門」(男)「禅定尼」(女)や大居士・清大姉・童子・童女・嬰児・孩子・水子などがあります。 禅定門は本来浄土宗で五重相伝を受けた人に付けた位号ですが、今では他宗派でも使います。 子供の場合は七歳から十五歳ぐらいまでを「童子」「童女」それ以下の子供は「幼児」「嬰児」「孩子」などを使います。不幸にも死産や流産をされた場合は「水子」とします。 戒名六文字の上に付く尊号が「院号(院殿号)」です。これは本来、皇族や武士などが出家、隠棲した住居をお寺に寄進した場合などに贈られたものです。 浄土真宗の場合、院号や道号・位号を付けません。「釋○○」男・「釋尼○○」女だけです。 最近ではお寺との関係が疎遠になり「信仰」が薄れる事により「戒名」の価値が感じられなくなってきていますが、本来「戒名」には「名を正す」事により、亡くなった故人にあの世で仏様となり安らかに極楽往生していただくという、素晴らしい仏教の「死者を救う」理念がある事を忘れてはならないと思います。
- 釋尼:しゃくに
- 釋:しゃく
- 隠棲:いんせい
- 尊号:そんごう
- 五重相伝:ごじゅうそうでん
- 水子:すいじ
- 孩子:がいじ
- 嬰児:えいじ
- 清大姉:せいだいし
- 大居士:だいこじ
- 禅定尼:ぜんじょうに
- 禅定門:ぜんじょうもん
- 位号:いごう