2016年 7月号 第79回「法名・戒名の話⑥」
聖武天皇は鑑真和上から授戒され、法名「勝満」を受けられました。
聖武天皇は鑑真和上から授戒され、法名「勝満」を受けられました。以後歴代天皇のうち三十代もの天皇が法名を受けておられます。 ところで「勝満」は二字ですが、私たちが普段目にする戒名は、もっと字数が多いと思いませんか? 実は戒名と呼ばれるものは本来二字で、それ以外のものが付属した物を一般的に戒名と読んでいます。見慣れた戒名は 「△△□□信士(信女)」 で、上の△の部分は「道号」と言い、中国の禅宗で仏道を極めた時、戒名とは別に付けたもので「字」とも言います。 一休宗純や夢想礎石の「一休」と「夢想」が道号です。未成年の時は道号を付けません。浄土宗では「誉号」があります。 □の部分が戒名です。ここに亡くなった個人の特徴を表すような文字を入れる事が多くあります。現在はお寺との行き来が少なくなり、個人の人柄が伝わりにくくなり、この部分に名前から一文字取る事が多くあります。 一番下の信士(信女)の部分は「位号」と言い在家の篤信家などは居士(大姉)をいただいたりします。
- 大姉:だいし
- 居士:こじ
- 篤信家:とくしんか
- 位号:いごう
- 誉号:よごう
- 夢想漱石:むそうそうせき
- 一休宗純:いっきゅうそうじゅん
- 字:あざな
- 道号:どうごう
- 信女:しんにょ
- 信士:しんじ
- 勝満:しょうまん
- 授戒:じゅかい
- 鑑真和上:がんじんわじょう
- 聖武天皇:しょうむてんのう