2016年 6月号 第78回「法名・戒名の話⑤」
法名や戒名はいつから出来たのでしょう。
日本に於いて、法名や戒名はいつから出来たのでしょう。 戒名の事が書いてある文献で一番古いものは、室町時代の「松平記」(一五三五)だそうです。その後、江戸時代になって檀家制度が出来ると、宗派別に「戒名」「法名」「法号」など呼び方が分かれてきます。 この地方で多い臨済宗や曹洞宗などの禅宗では「戒名」と言いますが、浄土真宗は「戒」の授受が有りませんから、「戒名」と呼ばずに「法名」と言います。 また、日蓮宗では「戒名」の他に「法号」とも言います。これは、「法華経」でお釈迦様が智恵第一の弟子と言われた、舎利佛に「華光如来」の号(仏号=法号)を授けた事に由来します。(法華経ひ喩品第三) 聖武天皇は鑑真和上から授戒され、法名「勝満」を受けられました。以後歴代天皇のうち三十代もの天皇が法名を受けてみえます。 日本で最初に付けられた法名は飛鳥時代に司馬達等の娘(嶋)が十一歳で出家した時に付けられた「善信尼」が始めだそうです。 次回からは戒名の中身について簡単に説明しようと思います。
- 善信尼:ぜんしんのあま
- 司馬達等:しばたつと
- 勝満:しょうまん
- 鑑真和上:がんじんわじょう
- 聖武天皇:しょうむてんのう
- 華光如来:けこうにょらい
- 舎利佛:しゃりほつ
- 檀家制度:だんかせいど