2016年 2月号 第74回「戒名・法名の話①」
名前は「言霊(ことだま)」という考えからつけられる
最近は「お寺離れ」とかで、直接火葬や埋葬する方が増えたようですが、まだまだお寺様でお葬式をあげる方が大半だと思います。お寺様でお葬儀をあげられると必ず「戒名」や「法名」を授かることになりますが、その「戒名・法名」にはどんな意味があるのでしょうか。戒名や法名もそうですが名前というと、古来、日本には本名の他に幼名、字、渾名、芸術家などの俳号や雅号、歌舞伎や芸事の芸名、力士の四股名、夜のネオン街には源氏名など、いろいろな名前があります。 日本人は昔から本名以外にいろんな名前を付けてきましたし、今でもそうした習慣が残っています。これは、命名・改名や襲名して名跡を継ぐと、その人の運命や人格が変わるという、日本の「言霊」の考えが根底にあります。言霊とは言葉や名前に霊魂が宿る事です。名前を付けたり替えたりすると、その名前にふさわしい「たましい」が宿る、というのです。ですから、生まれてきた子供の命名をとても大切にしてきましたし、襲名や改名にこだわってきました。
- 言霊:ことだま
- 渾名:あだな
- 四股名:しこな
- 字:あざな
- 雅号:がごう
- 幼名:ようみょう
- 俳号:はいごう
- 本名:ほんみょう