2015年 9月号 第69回「浄土真宗とお墓②」
「ナムアミダブツ」と唱える人は、死後すべて浄土へ往生させる。
浄土真宗の宗祖、親鸞上人は最初比叡山で修行され、その後浄土宗の開祖・法然上人の弟子となられました。浄土の教えは中国で生まれ、日本へは平安時代はじめに比叡山で天台宗を開かれた伝教大師・最澄によって法華経や禅や密教の教えと共に伝えられました。鎌倉時代の新しい仏教はすべて比叡山から生まれましたが「浄土宗」もその一つです。「ナムアミダブツ」と唱える人は、死後すべて浄土へ往生させる。というのが阿弥陀様の請願で、これを信じてひたすらお念仏をするのが浄土宗の「専修念仏」です。親鸞上人の教えは、基本的に法然上人と同じですが、浄土宗の「専修念仏」をさらに「真実の信心を得れば間違いなく浄土に生まれるのが浄土真宗」(唯信鈔)とする「信心往生」へと深められました。ひたすら念仏をする事は大切ですが、まず「真実の信心」がなくてはならない。という教えです。そうでないと、お念仏の回数の多さを自慢したり、念仏だけで安心してしまいます。それは浄土真宗でいう真の「絶対他力」ではなくなってしまいます。
- 絶対他力:ぜったいたりき
- 信心往生:しんじんおうじょう
- 唯信鈔:ゆいしんしょう
- 専修念仏:せんしゅうねんぶつ
- 請願:せいがん
- 法華経:ほけきょう
- 最澄:さいちょう
- 伝教大師:でんぎょうだいし
- 法然上人:ほうねんしょうにん
- 比叡山:ひえいざん
- 親鸞聖人:しんらんしょうにん
- 宗祖:しゅうそ