2015年 8月号 第68回「浄土真宗とお墓①」
浄土真宗には「戒名」や「位牌」がない
日本の仏教には数多くの宗派が有りますが、よく聞かれるのが「他のお寺では塔婆供養をするのに、うちのお寺(浄土真宗)には無いの?」という質問です。浄土真宗には「戒名」や「位牌」がなく、お墓に「梵字」を彫りません。「水子地蔵尊」や「五輪塔」も、あまりすすめません。「お盆」や「お彼岸」にも独自の考え方があり、他の宗派とは大きく違います。それは浄土真宗を開かれた親鸞聖人の教えに基づく、ちゃんとした理由が有るからで、浄土真宗の教えを知らないと、こうした習慣は理解できません。浄土真宗は元来、親鸞聖人を宗祖とする「一向宗」と呼ばれていました。明治時代になって「浄土真宗」が一般的になり「真宗十派」に分かれました。その中でも親鸞聖人の流れを受けた、「お西さん」西本願寺が本山の浄土真宗本願寺派「お東さん」東本願寺が本山の真宗大谷派が、日本有数の大宗派です。本山は、どちらもJR京都駅から北に向かって歩いて行ける場所に有ります。新幹線の車窓からもよく見えます。
- 一向宗:いっこうしゅう
- 宗祖:しゅうそ
- 親鸞聖人:しんらんしょうにん
- 梵字:ぼんじ
- 位牌:いはい
- 戒名:かいみょう
- 塔婆供養:とうばくよう
- 宗派:しゅうは