2015年 7月号 第67回「お彼岸とお墓参り⑥」
二十四節気に彼岸は含まれていません。
その昔、古代日本に中国から伝わった暦は陰暦(月を中心とした暦)でしたが、農業国の日本では太陽の動きで陰暦を修正した「二十四節気」がとても重宝でした。それは一年の各月を正節と中気に分けたものです。二十四節気は、冬至・夏至・春分・秋分・立春・立冬・大寒などですが、その中に彼岸は含まれていません。彼岸は「雑節」と言って二十四節気を補うために日本でつくられた暦日の一つです。他には、土用・節分・お盆・節句・七夕などが有ります。よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、春分・秋分の日は、ちょうど季節の変わり目にあたり農業では欠かせない大切な目安となる日です。そんな大切な日だからこそ、昔から日本人はご先祖様や亡き人のお墓参りをしたのでしょう。「国民の祝日に関する法律」には、春分の日を「自然をたたえ、生物をいつくしむ日」秋分の日は「祖先をうやまい、亡くなった人をしのぶ日」とあります。一家揃ってお墓参りをしながら、自然の恵みとご先祖様のお陰で今の自分と家族があることを、心から感謝する日が、日本のお彼岸だと思います。
- 雑節:ざっせつ
- 重宝:ちょうほう
- 二十四節気:にじゅうしせっき
- 陰暦:いんれき
- 暦:こよみ