2015年 11月号 第71回「浄土真宗とお墓④」
阿弥陀様を信じてお念仏を称える事が全て
浄土真宗は他の宗派と異なり「戒名」が有りません。その代わり「法名」をいただきます。浄土真宗は、阿弥陀様を信じてお念仏を称える事が全てで、「戒」を受けて仏様の弟子になる必要が無いので「戒名」はありません。そのかわりに、亡くなると「おかみそり」という帰敬式を受け、男性は「釋〇〇」女性は「釋尼〇〇」という「法名」をいただきます。これは浄土真宗に帰依(帰命)し、信仰と共に生きる「あかし」です。また、他の宗派のように「院号」や「院殿号」、「居士」「大姉」などの尊称はつけないのが一般的です。その理由は人が亡くなって浄土へ還ったら、みんな平等であるからです。他にも、死後の「霊魂」や「魂魄」を認めないので、法名の下に「霊位」を付けません。「霊魂」が無いのでお盆に「精霊棚」を作ってご先祖様の霊をお迎えする「お盆」の意味も違います。他宗ではご先祖様の霊が宿ると言われる「位牌」もありません。(代わりに「法名軸」を用います)お墓には水子の霊を供養する「水子地蔵」を建てません。これらはすべて、死後の「霊魂」を認めない浄土真宗は当然の事です。
- 精霊棚:しょうりょうだな
- 霊位:れいい
- 魂魄:こんぱく
- 還ったら:かえったら
- 大姉:だいし
- 居士:こじ
- 院殿号:いんでんごう
- 帰命:きみょう
- 帰依:きえ
- 釋尼:しゃくに
- 釋:しゃく
- 帰敬式:ききょうしき
- 称える:となえる
- 法名:ほうみょう