2014年 6月号 第54回「塔婆供養と造塔功徳④」
お釈迦様のご遺骨も三重の傘で覆われています。
古代インドのストゥーパ(お釈迦様のご遺骨を埋納したお墓)は、左図のように「基壇」の上に鉢を伏せたような覆鉢型の「塔身」が乗り、その上に四角い「平頭」が乗り、その中に仏舎利を納めます。
暑いインドでは王や聖人に必ず絹の傘を差し掛ける風習が有りますが、お釈迦様のご遺骨も三重の傘で覆われています。これを「傘蓋」と言い、その傘の柄を「傘竿」と言います。
漢訳の「ストゥーパ」には、レンガ・石などを高く積み上げた場所。という意味の他に、(お釈迦様の)功徳を集めて供養をする場所。という意味もあります。
これは大変重要で、仏像がまだなかった時代に「ストゥーパはお釈迦様そのもの」という信仰があり、人々はストゥーパでお釈迦様を感じていたのでした。ちょうど私たちがお寺で「仏像」を拝むのと同じで、そのまま日本のお墓にも当てはまります。
- 傘竿:さんかん
- 柄:え
- 傘蓋:さんがい
- 平頭:へいとう
- 塔身:とうしん
- 覆鉢型:ふくはつがた
- 基壇:きだん
- 埋納:まいのう