2014年 8月号 第56回「なぜお墓は石でつくるの①」
日本人は「石」以外のお墓は受け付けない傾向が有ります。
墓地へ行ってみると「石」でつくったお墓がずらりと並んでいます。ステンレスやセラミックでつくったお墓が話題になった事もありますが、やはり主役の座は「石」です。
日本人は「お墓は石で」という気持ちが強く、「石」以外のお墓は受け付けない傾向が有ります。
それはなぜでしょうか?
日本は木の文化、ヨーロッパは石の文化と言いますが、日本にも驚くほどたくさんの石の文化が全国各地に残っています。
ピラミッドや石造りの宮殿は作っていませんが、日本には古代から石を「聖なるもの」として祀った遺跡がいたるところにあります。
たとえば神霊の依り代という「盤座」「石境」「磯城」縄文時代の「環状列石」蘇我馬子の墓という「石舞台」、また中世から流行する道祖神や石仏などを含めると数えきれない石造物や自然石が有ります。
「古事記」の中には「石」「岩」「磐」という字がとてもたくさん出てきます。
数えてみないと分かりませんが、「木」という字とは比較にならないほど多く出てきます。
それほど日本人は古代から「石」に霊力を感じていたのです。
- ana1_1:そがのうまこ
- 環状列石:かんじょうれっせき
- 磯城:しき
- 石境:いわさか
- 盤座:いわくら
- 依り代:よりしろ
- 祀った:まつった