2014年 10月号 第58回「なぜお墓は石でつくるの③」
病気になったイザナミは、その後も四十もの神を生み亡くなってしまいました。
病気になったイザナミは、その後も水や食物の神々を生み全部で四十もの神を生み亡くなってしまいました。
イザナギはイザナミの亡骸を見て「美しい妻が火の神と引き換えになるとは」と泣き、涙から生まれたのが泣沢女の神で「泣き女」の始まりです。
イザナミは亡くなった後、出雲の伯伎との境にある比婆の山に葬られましたが、妻に会いたい一心のイザナギは、あの世の「黄泉国」まで行き、「美しい妻よ、私達の国づくりはまだ完成していない。どうか帰ってきてくれ」と頼みました。
するとイザナミは「なぜもっと早く来てくれなかったの。もう手遅れです。私はあの世の食べ物を食べてしまったので、もう戻れません。でもわざわざおいでになったので、黄泉国の神様に相談いたしますから、決して私を見ないで」と言って宮殿の中に入りました。
いくら待っても帰って来ないイザナミにしびれを切らしたイザナギは、櫛の一本を折って灯をともすと、そこにはウジ虫がわき、身体には八つの雷が宿るイザナミの亡骸があったのです。驚いたイザナギは一目散に逃げ出しました。
- 亡骸:なきがら
- 雷:いかずち
- 櫛:くし
- 黄泉国:よもつくに
- 比婆:ひば
- 伯伎:ははき
- 出雲:いずも
- 泣沢女:なきさわめ
- 亡骸:なきがら