皆さん こんにちは
石政の代表 佐藤豊です。
先日、御岳山の溶岩で作った焼肉プレートと黒い石で作った台座の出荷をしました。
このお仕事の話が有ったのは、昨年の話で、今オリンピック特需で景気のいい
東京の六本木に有る高級料理店に納めたいと言う話でした。
最初はイメージを聞きながらCADで図面を作り、修正を重ねながら並行して石の素材を選定して行きました。
形と素材が決まると試作に入りますが、溶岩の方は食べ物が直接乗るので国内物に拘り近くの御岳山の麓の石材店に依頼。
台座は工賃の関係で中国に依頼しました。
試作品が出来て来るとお施主様に見て頂くのですが、台座の方は山ほどの修正箇所が出てきました。
一番難題なのは重さの件。
普段何百㎏もある石材を扱っているので全然気にしなかったのですが、料理店で実際に扱うのは女性がほとんどなので、なるほどと思いました。
でも、それからが大変です。数㎏を測る測りが無いので購入し、自分で実際にグラム数を測りながら、削っては測りの繰り返し。薄っぺらくしすぎては割れてしまうので強度に関係なさそうな所で削ります。見えない所で孔をあけてしまえば早いのですが、それも出来ず、何度も繰り返します。
ようやく指定の重さまでたどり着き、お施主様の了解を得て受注しましたが、なんと受注数を聞いてびっくり。せいぜい十数組かと思っていましたが、70組の受注です。そんな大きなお店だったとは知りませんでした。
いよいよ中国での加工ですが、今までの経験から言って一度に70組作らせると修正が大変なので、納期を多めに頂き最初は5枚ほど作りそのうち半分を輸入して様子を見ます。
3週間後に納品された物を検品すると案の定こちらの指示した通りに出来ていません。国内で修正して修正部分を写真に撮り中国に送った後お互いに写真を見ながら電話で指示を出します。
その繰り返しを2度ほど繰り返し、やっと物になってきた時点で全部の数を作らせます。きっと、なんてめんどくさい客なんだ。と思われているでしょうがしょうが有りません。
そうして何度もやり取りを繰り返し万全を期して入荷した台座ですが、最後に溶岩プレートを実際に乗せて検品すると、微妙にガタつきが有りました。
もう最後は自分でガタつきを直してようやく出荷。なんと初めにお話を伺い見積を出してから8カ月もかかってしまいました。
でも、こうして手間をかけて送り出した製品には特別に想いがこもります。
六本木駅前にあり、1961年創業の日本料理の老舗で使われるそうです。死ぬまでに行けるかどうか分かりませんが、機会が有れば一度行ってみたいと思います。