営業担当の佐藤裕基です。
このブログでは色んなトピックで石政の活動内容をご報告しています。このトピックでは他業界から何も分からないまま石屋に入った私が、皆さんも普段感じているであろうお墓のギモンを一緒に考えたいと思います。今回はお墓の横に立っているアレについてお話したいと思います。
塔婆ってどんな意味があるの?
お墓に行くと、お墓の横に細長い木の板が建ててあるのを見かけたことがあると思います。この木の板は「塔婆(とうば)」といいます。お盆、お彼岸の時にお寺にお願いして用意してもらうのは何となく分かるものの、いったいどんな意味があるのかは分からないという方も多いのではないでしょうか。
「塔婆」は「卒塔婆」とも呼ばれ、お釈迦様が亡くなった後、遺骨を納めて供養した塔=仏舎利塔(文字の上にふりがなつけてください)がもともとの由来だそうです。仏舎利塔(文字の上にふりがなつけてください)は古代インドのサンスクリット語で『ストゥーパ』と呼びます。この『ストゥーパ』という言葉からストゥーパ→ソトウバ→卒塔婆→塔婆となったそうです。塔婆ってお釈迦様のお墓、ストゥーパ(仏舎利塔)の当て字だったんですね。
では、なぜ立てるかというと、仏教では塔婆を立てること自体が「善」とされていて、「塔婆を立てる=善を積む」ことが故人の冥福につながると考えられています。また、先祖や故人の善だけでなく、自分自身の善を積むためにもよい行いとされ、言葉の意味からも、塔を立てて供養するのと同じくらいに大きな功徳があるのだと言われています。
なんであんな形をしているの?
塔婆のあの独特な形にもちゃんと意味があります。ストゥーパ(仏舎利塔)がインドから中国を経て日本に伝わる過程で変化して、日本独自の石塔「五輪塔」が生まれます。実は塔婆はその五輪塔を簡略化した形なんです。五輪塔の5つの形は上から、『空・風・火・水・地』生前に建てるお墓のことを「寿陵」と呼び、寿陵を建てることは縁起の良いことで、長寿や子孫繁栄をという仏教の宇宙観である五大要素を表しています。
仏教では、これらの5つの要素でこの世界を構成していると説かれており、人間もこの5つの要素によって、「生かされている」と考えられています。そう思って見てみると、塔婆上部の5つの刻みも納得できますね。
いつの時代にも先祖や故人を想い、大切に供養してあげたいという気持ちは変わらないのですね。