2024年5月2日 木曜日
土岐のお寺で庭灯籠の修復工事(岐阜県土岐市妻木町)
皆さん、こんにちは!
今回は先日、土岐市のお寺の境内地で行った、庭灯籠の修復工事をご紹介させていただきます。
こちらのお寺様は先日ご紹介した弘法様の移設工事を行ったところであり、以前より弊社のことを懇意にしていただいているお寺様の1つであります。
今回、お寺様より「お寺の境内地にある庭灯籠が雨風の影響で倒れてしまったため、直すことはできないか」というご相談があり、修復工事を行うこととなりました。
こちらが工事前の写真です。灯籠の笠と火袋の部分が落ちて地面に転がった状態でした。笠には落下した衝撃でヒビが入っており、そのまま据え戻すことはできなかったため、新しい石に取り替えることとなりました。
ここは境内地の奥の庭で池があり、機械を入れれないような場所でした。しかしこれだけ大きな石となると、人力で持ち上げることはもちろん出来ません。そういった場合は三又(さんまた・みつまた)といって、3本の支柱を立てて頂部にチェーンブロックや滑車などを吊り下げた装置を使って、据付作業をするのですが、笠石が大きすぎて今回の場合は使うことができませんでした。
こんな時こそ長年施工をしている石職人の経験が活きてきます。今回工事をするにあたり、池を土砂で埋めないように土嚢で土台をつくり、その上にアルミブリッジを掛けて簡易の橋をつくりました。こうすることで機械の道ができ、移動式クレーンを搬入することができます。
移動式クレーンさえ運び入れることができれば、後は普段から行っている石工事と同様に、基礎工事を行った上に土台部分から順に据え付けていくだけです。
新しい笠石には風合いの似た木曽石を選定し、安定性を重視してもともとの笠石と比較して一回り小ぶりなものにしました。
移動式クレーンがないような時代には、どうやって据え付けたんだろうなぁと昔の石工に関心をしながら無事工事を終えることができました。
昔ながらの日本庭園にはこういった風情のある灯籠など石造物が多く使われています。そういった工事にも対応できるように、これからも日々技術を磨いていきたいと思います!!