2023年8月30日 水曜日
長福寺展に行ってきました!(岐阜県多治見市旭ケ丘)
皆さん、こんにちは!
先日、多治見市の文化財保護センターで行われている「長福寺展」に行ってきました。
長福寺は多治見市弁天町にある真言宗智山派のお寺で、元弘年間(1331~1334年)に美濃源氏土岐氏庶流の源頼氏(みなもとのよりうじ)が道忍上人に帰依(神や仏、高僧などすぐれた人物に従い頼ること)し、建てられたそうです。
長福寺では今まで平安時代や鎌倉時代の数々の歴史的文化財が見つかっており、今回の展示会は令和2年2月に発見された「美濃国池田御厨某寺奉加帳」と名付けられた奉加帳(寺社の造営・修繕、経典の刊行などの事業に対して、金品などの寄進(奉加)を行った人物の名称・品目・量数を書き連ねて記した帳面のこと)の修理完成記念として開催されました。ちなみにこの奉加帳は市内で確認されている子文書の中では最も古いものだそうです。
本来であれば、展示の一部をご紹介したかったところですが、展示は一切の撮影禁止だったため、代わりに展示会にて配布されていたパンフレットを上げさせていただきました。
奉加帳には、東濃地域だけでなく名古屋~春日井地域まで広範囲の寄進者の名が書かれており、総数は1万人を超えるそうです。また、源頼氏のほか土岐源氏などの武士や僧尼や、可児郡明智荘の有力者と考えられる明智兵衛太郎、後醍醐天皇の企てた討幕計画(正中の変)で挙兵に加わった土岐十郎(頼衡)の名もあり、長福寺と数々の有権者、土岐明智氏との関係性や、中央の歴史について読み解くための重要な史料であることが分かりました。
その他にも長福寺と永保寺の意外な関係性、源頼氏と永保時の深い関係性が分かる史料や、興味深い資料がいくつも展示されていました。
時間を忘れて没頭していたため、朝一番に訪問したのですが気付いた頃にはすでに昼ご飯の時間になっていました。12/22まで展示は行われているそうなので、ぜひ一度興味のある方は足を運んでみてください。