2021年12月23日 木曜日
多治見市山下町の渡邉地蔵 移転工事①
皆さん、おはようございます。
石政佐藤石材の代表 佐藤豊です。
今日は、多治見市山下町にある「渡邉地蔵」の移転工事について書こうと思います。
このお地蔵様、由来が書いた看板によると元々は土岐市の妻木町にあったようです。多治見の米銀という米問屋さんが妻木町へ米の買い出しに行ったときに、倒れて橋の代わりになっていたのでもったいないと思い多治見まで持ってきてお祀りしたと書いてありました。
現在は町名が変わってしまい無くなってしまいましたが、今お祀りしてある場所の近く(200mほど離れた所)に「渡邉町」という場所があり、そこに建てられていたので「渡邉地蔵」と名前が付いたようです。そこから今の場所に移った経緯は分かりませんが、何度か移転するうちに倒れて割れたのか、中央で割れた所をつないで補修した跡や、舟形の部分が大きく欠けています。
以前は近くの「山下地蔵」と共に地蔵盆のお祭りの時に屋台や夜店が出たりして賑わっていたようですが、今はお詣りする人も少なくなり地域のお年寄りが細々と管理してみえます。お賽銭や奉納もほとんどない状態の中このままでは将来借地料も払えなくなってしまうと言う事で、今回近くにあるお寺の別院の駐車場に移転することになりました。
初日は、お地蔵様の搬出です。
舟形の高さが8尺もあり、天井すれすれのところまであるので吊り代がありません。
止む無く許可を得て天井を壊します。
計算すると台座を含めてお地蔵様の重量が1.5トンほどもあるので天井の梁に掛けて吊り上げることも出来ません。
そこでカニクレーンを入れて一旦寝かせてから吊り上げて運び出すことにしました。
こういった現場でもカニクレーンは活躍します。
お地蔵様の中央あたりに帯状疱疹のようにセメントで補修した跡があるので、寝かせる途中で折れてしまわないように角材を添え木のように括り付けて寝かせます。
寝かせるにもいきなり倒すわけにはいかないので、カニクレーンのブームの伸縮を使いお地蔵様を支えながらじわじわと倒していきます。クレーンは本来吊り上げる作業をするための物なので、ブームの伸縮を使って重量物を倒す作業はしてはいけない作業だと思いますが、苦肉の策でやってみました。
結果、何とか一日かけて搬出する事ができました。