2021年7月23日 金曜日
お墓のギモン ~エフロレッセンスってなぁに?~
皆さん、こんにちは!!
営業担当の佐藤裕基です。
先日石政ブログで話題に上がった「エフロレッセンス」について今日は詳しくお話したいと思います。
目次
エフロレッセンスてなぁに?
先日のブログでもお話しましたが、エフロレッセンス(以下エフロ)は、コンクリート中の水酸化カルシウム(Ca(OH)2)が水に溶けて石の表面に滲み出し、空気中の炭酸ガス(Co2)と反応することで炭酸カルシウム(CaCO3)ができ、これが乾燥して水分が蒸発し結晶化したものです。白い花のように見えることから白華とも呼ばれます。
これは1年を通していつも起こるわけではなく、冬の寒い時期に雨や雪が降った時だとか、少し肌寒い梅雨の時期などに起こることがあるそうです。
お墓の石にはどんな影響があるの?
表面に出てきたエフロ自体はスクレーパーなどで削り取れるので特に問題はないのですが、これが石の内部で起こる場合が問題があります。これをサブフロレッセンス(以下サブフロ)と言い、このサブは地下の、隠れたという意味です。
石の内部の微細な隙間の中でエフロになり、体積が膨張することで石の表面を押すようにして壊してしまうといったことが起きてしまうと、修繕するのには石を磨き直したりしないといけなくなるため、手間も費用もかかってしまい取り返しがつかなくなってしまいます。
エフロレッセンスが出ないための対応策はあるの?
エフロレッセンスが出ないように(出にくくする)するための対応策は3つあります。
1つ目は、寒い時期に出やすいので、施工時期をできるだけ暖かい時期に行うということです。これは法事の予定など納期が決まっている場合もあるので、そういった場合には難しい対応策となります。
2つ目はできるだけコンクリートやモルタルを使わない施工をするということです。こちらもお墓だけでなく一般的な構造物にはコンクリートがどこかしらで使われているので、なかなか難しいですが、お墓の場合では、補強や接着部分はボンド施工をできるだけ行う(乾式施工)ことなどにより、使用料は減らせることもあります。
3つ目は水の排水を良くすることです。お墓などは屋外にあるためどうしても雨水が浸透してきて内部に水分が溜まってくるのですが、この水分を上手く排水できる構造にしてあげることで、反応を少しでも抑えることができます。
今ではお墓でも当たり前に使われているコンクリートやモルタル、長く残っていくお墓にとっても施工の上で必要不可欠な存在であるので、その性質を理解し、悪影響を及ばさないようにこれからも設計や施工をしていきたいと思います。