2020年7月28日 火曜日
仏事のギモン ~お盆に関する豆知識~
皆さん、こんにちは!!
営業担当の佐藤裕基です。
このトピックでは、皆さんも普段感じているであろうお墓や仏事のギモンを一緒に考えたいと思います。今回はお盆の時に行っている行事や風習についてお話させていただきます。
目次
新盆と旧盆ってなぁに??
このあたりは7月盆(新盆)ですでにお盆行事が終わられている地域が多いですが、世間のイメージからするとお盆=8月ですよね。そもそもこのように、お盆の時期が7月盆(新盆)と8月盆(旧盆)で異なるのはなぜなんでしょうか。
お盆の時期が異なる理由は、実は明治時代に行われた改暦が関係していて、改暦は明治時代に暦の国際基準化を目的として行われました。改暦に伴って日本の各行事は30日遅れとなり、もともと旧暦の7月15日に行われていたお盆も、改暦後には新暦の8月15日に行われるようになったそうです。
現在、7月盆(新盆)は東京を中心とした一部の地域のみで、大多数の地域は8月盆(旧盆)のようです。お盆時期のずれが定着した理由は諸説あるそうで、例えば、農業が盛んな地方の7月は農繁期で忙しいため、1ヶ月遅らせてお盆を行った説などがあるそうです。
なお、お盆に行う行事の内容は、時期にはあまり関係なく地域によって異なることが多いと考えられます。地域による行事や風習の違いを調べてみるのも面白いかもしれませんね。
ナスとキュウリを飾る意味って??
お盆と言えば、祖霊をお招きし、ご先祖様に感謝をこめて祭る日本の大きな行事です。そんな中で皆さん、盆飾りとしてキュウリとナスに割り箸を刺して飾ったことはありませんか?私が子供のころは、当たり前のように飾ってあったのですが、当時は「あれを飾る意味は何なんだろう?」といつも思っていました。しかしこれにも深~い意味があったんですね。
まずは、キュウリとナスの形を思い浮かべてみてください。キュウリは細長く、ナスは少し丸みを帯びた形をしていますよね。この形からキュウリは「馬」、ナスは「牛」を表現しています。お盆にご先祖様をわが家にお招きする時に、行き道はご先祖様に早く家に帰って来て欲しいという思いから、足の速い「馬」に見立てたキュウリを使用し、また逆に、帰り道はご先祖様にゆっくり戻って欲しいという思いから、「牛」に見立てたナスを使用します。
今ではあまり見られなくなったキュウリとナスですが、今度のお盆の時にはこれを機に皆さんのお宅でも飾ってみてはいかがでしょうか。お子さんやお孫さんと一緒に、意味を教えながら作るのもいいかもしれませんね。
迎え火と送り火とってなぁに?
皆さんは、お盆の入りの日に玄関先で火をたかれた経験はありますか?私は小さい時にやっていた記憶しかないのですが、あの風習にもちゃんと意味があったんですね。
「迎え火」とは、お盆のときに戻ってくる故人やご先祖様の霊が、途中で迷子にならないように、目印として門口や玄関で火を焚くことです。故人やご先祖様の霊は、その焚いた火の煙に乗って、家の中へ迎え入れられると伝えられてます。
「送り火」とは、お盆で共に過ごした故人やご先祖様の霊が、無事に帰れるようお見送りをするために、迎え火と同じ場所で火を焚くことです。先程お話したキュウリやナスで作った精霊馬も、この時に一緒に燃やし、その煙に乗って、故人やご先祖様の霊は、天へ戻っていくと言われています。
今はマンション住まいという方も増えてきて、火をたくことができないというところもあると思います。そんな時は盆提灯を代わりの目印としてご先祖様を迎え入れてあげてはいかがでしょうか。